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大林組『1802』の株価分析と配当や株主優待について
どうも!!『らしらん』(rasiran)です。
本日は、『大林組』【1902】の株価を分析していこうと思います。
大林組と言えば、竹中工務店、奥村組、錢高組、鴻池組に並ぶゼネコン最大手の一社です。
スーパーゼネコンなどと表現されますが、そもそもゼネコンとはGeneral contractor(総合請負者)を元とする言葉で、簡単にいうと『設計』、『施工』、『研究』を一社で行う事ができる企業といったところです。
もともとは、特定の工事を請け負う工務店との違いを表す為に生まれた言葉で海外でGeneral contractorと言っても違ったニュアンスで受け取られるようです。
日本国内でのみ通用する言葉という事ですね。
記事の内容は私の個人的な考えであり、株の購入を進めるものでも安全性を保証するものでもありません。あくまで投資は自己責任にてお願いいたします。
また、企業の一般公開情報によって判断をおこなったため、事実と異なる点が存在する可能性があります。どのような考えをもって投資を行うかの『考え方の流れ』を参考にいただければと思います。
参考にした上での不利益を当方で負うものではありません。ご自身の判断によって投資は行ってください。
目次
大林組とは?
大林組は、時価総額8326億円、建設・土木の分野で121社中3位の規模の企業です。
同社の関わった有名な建物には、『東京スカイツリー』や『グランフロント大阪』など多数あります。
事業構成
事業構成と売上高の比率は、以下の通りとなります。
- 建設事業(95.8%)
- 不動産事業(2.34%)
- その他事業(1.85%)
それでは、事業ごとの売上高と売上高利益率を確認しておきましょう。
事業名 | 売上高 | 売上高利益率 |
建築事業 | 1820947百万 | 7.0% |
不動産事業 | 44566百万 | 19.3% |
その他事業 | 35141百万 | 7.3% |
売上高利益率というのは、その事業の売上高に対して何%が利益になるのか?を表したものです。
売上高利益率に注目すると、不動産事業が19.3%と一番効率よく利益を上げていることになりますが売上高の割合は全体の2.34%と小さく全売上に影響を与えるほどの規模ではありません。
よって同社の収益は、ほぼ建築事業によるものであると言えます。
PFI事業への取り組み
PFIとはPrivate Finance Initiativeの略で公共事業を行う為の手法の一つです。
公共施設などの建設・運営・維持管理に民間の資金と技術ノウハウを活用することで簡単に言うと、質の高い公共サービスを低価格で実現させることを目的とするものです。
同社は、このPFIの国内実績がトップクラスで、1999年に国内のPFI法が制定される以前から、海外のPFI事業に参画し実績を積み上げてきました。
大林組を収益の視点から分析する
それでは、現在の株価1138円(2018/06/19終値)を基準に見ていきましょう。
一株当たりの利益の割合を表す、PER(株価収益率)は8.38倍と一般的な企業の平均の15倍よりも低くお得に見えます。
ただし、建築の業種は全般的にPERの水準が低い業種の一つです。
低PER=お得と単純に考えるのは危険です。
EPS(一株当たり利益)は135.8円です。
EPSを基準にお買い得と判断されるPERの10~15倍を掛けると、1358円~2037円です。
ちなみに、現在の株価1138円とEPSの15倍の差は899円です。
こちらの数値もPER15倍がもとになっているので注意が必要です。
私がPERとEPSのみで株価を判断するなら、特別に割安ではなく適正な株価に落ち着いていると判断します。
株価はたったの二つの指標で判断できるものではありませんから、他の指標についてもみていきましょう。
大林組を資産の観点から分析する
株価が一株当たり純資産の何倍の価格になっているかを表すPBR(株価純資産倍率)の値を確認すると、1.19倍です。1.5倍までが割安ととられることを考えると割安と言えそうです。
BPSは954.05円なので、お得の範囲内とされるBPSの1.5倍を計算すると1431.08円ですから、現在の株価1138円と比較すると資産面からは、477.03円割安だと言えます。
理論上の株価の底値は954.05円です。
大林組の配当や株主優待はどうなのか?
配当は、一株当たり28~30円を予定しているので、100株保有していたとすると配当は2800~3000円です。
配当利回りは、2.46%とやや高めの配当です。
配当性向は、21.7%と一般的な水準です。
株主優待は、行っていないようです。
大林組の売上高と利益はどうなのか?
売上高、営業利益ともに順調に上昇傾向がみられます。
大林組の株価を利益率と流動比率から分析する
前期(2018/3)のROEは14.5%、ROAは6.9%。
今期予想(2019/3)は、ROEが14.3%、ROAが6.7%と利益率はかなり良いと言えます。
流動比率は1.09倍で短期的な資金に問題はないでしょう。
自己資本比率は31.9%です。倒産の危険がないと言われる40%はやや下回っているものの上昇傾向に推移しているのでこちらも問題はありません。
営業キャッシュフローと有利子負債の割合は、2.43倍ですから一般的に言われる5倍以下の水準を下回っています。
十分な営業キャッシュフローがあるとみてよいでしょう。
まとめ
今回は『大林組』の株価分析を行いました。
低PERではあるものの割安ではないという事を差っ引いても、その他指標や財務面から株価上昇の余地がある銘柄であると判断しました。
ただし、長期投資の対象としては少し厳しいと感じました。最長でも2020年の東京オリンピックあたりで保有を継続するのか?売却するのか?の見直しは必要だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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