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カッシーナ・イクスシー【2777】の株価分析と配当や株主優待について
どうも!!『らしらん』(rasiran)です。
本日は『カッシーナ・イクスシー』【2777】の株価分析を行います。
カッシーナ・イクスシーは、イタリアのカッシーナ社、その他の家具の輸入販売を行い、一部カッシーナ社や海外提携製品のライセンス生産を行っている企業です。
記事の内容は私の個人的な考えであり、株の購入を勧めるものでも安全性を保障するものでもありません。あくまで投資は自己責任にてお願いいたします。
また、企業の一般公開情報によって判断を行ったため、事実と異なる点が存在する可能性があります。どのような考えをもって投資を行うかの『考え方の流れ』を参考にいただければと思います。
参考にした上での不利益を当方で負うものではありません。ご自身の判断によって投資は行ってください。
目次
都心部での大型オフィスビル竣工ラッシュ
都心部での大型ビルの竣工ラッシュにより、オフィス等の法人向け受注が増加し、また富裕層の個人向けの販売が好調です。
ただし、オフィスビルの竣工についてみると、ラッシュが続くのは2020年までであり、2021年以降の見通しについては、現在のペースの3分の1程度に落ち着くものと思われます。
現に、大型ビルの竣工の影響の少ない、地方の店舗では想定受注ベースの割り込みもみられます。
現在の売り上げ好調の要因がオフィスビルの竣工ラッシュの影響によるものであれば、2020年以降の販売に影響が見られる可能性があります。
ザ・コンランショップの買収
同社は、2014年6月23日にコクヨ株式会社の連結子会社でザ・コンランショップを運営する『LmDインターナショナル株式会社』を買収しています。
ザ・コンランショップとは、イギリスのインテリアデザイナーである、サー・テンレス・コンランが手掛けるインテリアショップで、自身のデザインした製品を中心に全国から厳選した製品を扱うショップです。
合併の目的は、これまでの家具の単体の販売から、顧客の求める空間をデザインするサービスの提供の為であり、
従来のコンランショップのなかに、カッシーナ・イクスシーが出店する形態の店舗も展開しています。
現在、コンランショップの苦戦が見られますが、自社開発商品や、高粗利の家具の販売強化で黒字化しており今後の成長に期待したいところです。
カッシーナ・イクスシーを収益の視点から分析する
それでは、現在の株価(2019/07/23終値)841円を基準に見ていきましょう。
一株当たりの利益の割合を表すPER(株価収益率)は7.6倍とかなり割安です。
EPSは110.7円です。
EPSを基準にお買い得とされるPERの10~15倍を掛けると、1107~1660.5円です。
ちなみに現在の株価841円とEPSの15倍の差は819.5円です。
カッシーナ・イクスシーを資産の視点から分析する
株価がBPS(一株当たり純資産)の何倍の価格になっているかを表すPBR(株価純資産倍率)の値を確認すると、0.69倍です。
1.5倍までだと一般的に割安だと言われるなかで、これは違和感を感じるほどの割安です。
BPS(一株当たり純資産)は1225.15円ですから、お得の範囲内とされる BPS の1.5倍を計算すると、1837.73円となり、現在の株価841円と比較すると資産面からは996.73円割安だと言えます。
理論上の株価の底値は1225.15円です。
理屈上は3割引きの価格で株が購入出来てしまう訳ですが、安い物には何かしら理由があるものです。
よほどに企業の属する業界の成長性や企業そのものの将来に期待が持てないのか?
あとは、大きなリスクを抱えている場合ですね。同社の有価証券報告書を確認すると、『事業等のリスク』の項目にカッシーナ社との関係、ユニマットグループとの関係、その他について記載があります。
有価証券報告書に記載されるリスクを読み込む
簡単に触れておくと、カッシーナ社との関係については、イタリアカッシーナ社が同社の株を11.73%保有している事やライセンス契約の取り決め、
みなさんが興味を惹かれそうなところだと、カッシーナ社に支払うロイヤリティの算出法として、販売商品の当社規定の定価の40%引き価格の5.8%(一部商品は8.3%)なんて事も記載されています。
簡単に言うなら、1億円分のカッシーナ社の製品を販売すれば、6000万円に対する5.8%の348万円を少なくともカッシーナ社に支払うってわけです。
もちろん、これは仕入れ原価とは別の金額です。
ユニマットグループとの関係についてですが、ユニマットグループは、ユニマットライフで有名なオフィス向けのコーヒー事業や、不動産事業を行う企業集団です。
同社も、ユニマットグループのグループ会社の一つであり、ユニマットグループおよびその親族から、同社の発行する株の53%を保有される関係にあり、カッシーナ・イクスシー代表取締役会長の高橋洋二は、ユニマットグループの会長でもあります。
とくにどの項目に問題があるという事には触れませんが、ご自身で有価証券報告書の『リスクの欄』に目を通した時に、
もしも『違和感』を感じたなら投資を見送るという判断ができる事が長期投資の視点から私は重要だと考えています。
カッシーナ・イクスシーの配当や株主優待はどうか?
配当は、一株当たり30円を予定しているので、100株保有していたとすると配当は3000円です。
配当利回りは、3.57%でかなりの高配当です。
配当性向は、27.3%ですから一般的な水準です。配当が高いというよりも株価が安すぎることによって相対的に高配当に見えていると言った方が正しいですね。
株主優待は、おこなっていません。
カッシーナ・イクスシーの売上高と利益はどうか?
過去の推移をみても売上高、営業利益ともに順調に伸ばしています。
純利益率は若干の下降気味ではありますが、営業利益率に関しては緩やかに上昇傾向にあります。
おそらくではありますが、利益率の高い家具の販売が好調であることが影響しているものと思われます。
カッシーナ・イクスシーの株価を利益率と流動比率から分析する。
前期(2018/12)のROEは9.3%、ROA4.5%。
今期予想(2019/12)の ROE は9.2%、 ROA は4.4%と資本をうまく活用できている事が分かります。
とくに ROE が9%を超えていることは評価できます。
流動比率は、2.09倍で短期的な支払いにも問題はありません。
自己資本比率は、48.1%とこちらも安定感のある企業だと言えるでしょう。
営業キャッシュフロー有利子負債倍率は、3.49倍と目安となる5倍を下回っており十分なキャッシュフローがあると判断できます。
財務状態は良好です。
まとめ
今回は『カッシーナ・イクスシー』の株価分析を行いました。
株価指標などの数値上は、非常に優れた銘柄であり、財務面からの企業の安定性もすばらしいと感じました。
しかし、現在の株価を見ると、まったくそれらの指標が反映されているとは思えません。
以前記事にしましたが、日産自動車についても株価指標の数値が株価に反映されておらず違和感を感じるとお伝えしていました。
残念ながら、私には予知能力も企業の超極秘内部情報を手に入れるようなコネも持っていませんから、たまたまではあるのですが、
記事作成の7か月後、カルロスゴーンは逮捕され株価も大きく下落することとなりました。
カッシーナ・イクスシーへの投資判断をすると、短期的な投資をするのであれば株価上昇の余地はあるけれど、やはり長期投資の視点からは『見送り』と判断しようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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