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イオン【8267】の株価分析と配当や株主優待について
どうも!!『らしらん』(rasiran)です。
本日は、みなさんも一度は利用したことのある『イオン』【8267】の株価を分析していこうと思います。
それではまいりましょう。
記事の内容は私の個人的な考えであり、株の購入を進めるものでも安全性を保証するものでもありません。あくまで投資は自己責任にてお願いいたします。
また、ネット上で簡単に手に入る資料によって判断をおこなったため、事実と異なる点が存在する可能性があります。どのような考えをもって投資を行うかの『考え方の流れ』を参考にいただければと思います。
目次
イオンとは?
イオンは、時価総額1兆5921億円の総合スーパーの分野で9社中1位の規模の大手流通グループです。
M&Aを繰り返し、連結子会社は291社あり、商業ブランドには、有名なところで『イオン』、『マックスバリュ』、『ダイエー』、『ザ・ビック』、『イオンシネマ』、『ミニストップ』、『オリジン弁当』、『イオンバイク』のほか多数あり、営業収益は8兆3900億1200万円です。
事業構成
営業収益割合における事業構成は、以下の7事業から構成されています。
- GMS-General Marchandise Store (総合スーパー)事業 34%
- SM・DS-Super Market・Discount Store(スーパーマーケット・ディスカウントストア)事業 33%
- 小型店事業 4%
- ドラッグファーマシー事業 7%
- 総合金融事業 7%
- ディベロッパー事業 4%
- サービス・専門店事業 9%
- 国際事業 5%
営業収益は、8兆3900億1200万 × 事業割合の比率で求められますが、ここからは、営業利益を基準に並べ替えてみましょう。
利益を残しているのは総合金融とディベロッパー事業
その前に、収益と利益という言葉の意味について触れておきましょう。
【解説】収益と利益の関係は、以下の式で求められます。
収益-(原価+諸経費)=利益
例えば、スイカを1000円(収益)で売る場合、300円(原価)で仕入れて、販売員に200円(諸費用)の給料を支払うとすると、500円の利益が手元に残るという事が出来ます。
その利益を多く残している事業の順番に並べると以下の通りとなります。
- 総合金融事業 697億6600万円
- ディベロッパー事業 515億4200万円
- SM・DS事業 307億2200万円
- ドラッグファーマシー事業 277億円
- サービス・専門店事業 202億6100万円
- GMS事業 105億3600万円
- 国際事業 2億3200万円
ここからわかることは、利益の柱が、総合金融事業とディベロッパー事業であり、収益比率では1位だったはずのGMS事業が6位の利益しか残せていない事が分かります。
これだけ大きな企業がメインの事業から利益を残せていないのは、スケールメリット(規模の利益)が活かせていないと言えます。
ここまで見ると、総合金融事業とディベロッパー事業を伸ばして、利益率の低いGMS事業の改善することが課題であることが分かります。
『G・Gストア』と『ハラール認証食品』
GGストア
現在の小売業を取り巻く環境として、高齢化や少子化の問題は非常に大きな影響を与えます。
すなわち日本国内の市場は縮小傾向にあるという事です。
そこでイオンが対策として行っているのが『GGストア』の展開です。
※GG=Grand Generations
これは、単なるシニアではなく、シニアに変わる世代の考え方で、豊かな知識と経験の元、若々しく年齢を重ね、人生を楽しまれている年長の方々と、グランドジェネレーションを定義しています。
実際の取り組みとして、
- 毎朝のラジオ体操やエクササイズを行うイベント
- イベントスペースを無料開放して交流場所の提供
- 食材において、家族向けよりも容量を少なく高品質な商品の拡充
- 電球の交換などを頼むことのできる『暮らしのパートナー』サービス(30分500円)の導入
上記の取り組みを行い、好評を得ているようです。
ハラール認証食品
ハラール認証とは、ムスリム(イスラム教徒)向けの宗教上口にしてはいけない食材が使用されていない事を表す認証の事です。
2016年3月より、イオントップバリュマレーシアからハラール認証食品を輸入してGMS25店舗にて常設展開を行っています。
ムスリム(イスラム教徒)の方たちは、アジア圏に多いとされているので、今後は、現在の日本におけるムスリム人口15万人に加え、日本とムスリム人口の多い国は地理的にも近いことから、観光やビジネスで日本に訪れるムスリム人口は増加するでしょう。
バブルの頃の日本人がアジアへ観光に出かけたように、急激に発展している東南アジア圏の富裕層が日本に観光にやってくるって事ですね。
イオンに行けばムスリム認証の食材が手に入ると海外で認識されれば今後の強みとして効いてくるでしょう。米国BOXED社への出資
BOXED社は2013年に設立されたベンチャー企業で主要事業は、オンラインに特化したホールセールビジネス(大手法人向け)を行っている企業です。
現時点ではあくまで見込みですが、物流ノウハウや、データプラットフォームノウハウの習得のメリットがあるのでは?とのことなので引き続き注意していきたいところですね。
イオンの株価を収益の視点から分析する
それでは、現在の株価2162.5円(2018/05/02終値)を基準に見ていきましょう。
一株当たりの利益の割合を表す、PER(株価収益率)は53.93倍と非常に高いですね。
主要事業のGMS(総合スーパー)事業、SM・DS(スーパーマーケット・ディスカウントストア)の利益率の低さが影響しているのでしょう。
EPS(一株当たり利益)は40.1円です。
EPSを基準にお買い得と判断されるPERの10~15倍を掛けると、401円~601.5円です。
ちなみに、現在の株価2162.5円とEPSの15倍の差は1561円です。
PER15倍までで考えると1561円割高とも考えられそうです。
イオンの株価を資産の観点から分析する
株価が一株当たり純資産の何倍の価格になっているかを表すPBR(株価純資産倍率)の値を確認すると、1.58倍です。1.5倍までが割安ととられることを考えるとこちらは割安の圏内です。
BPSは1371.6円なので、お得の範囲内とされるBPSの1.5倍を計算すると2057.4円ですから、現在の株価2162.5円と比較すると資産面からは、105.1円割高だと言えます。
理論上の株価の底値は1371.6円です。
イオンの配当や株主優待はどうなのか?
配当は、一株当たり34円を予定しているので、100株保有していたとすると配当は3400円です。
配当利回りは、1.57%とまずますといったところですね。
配当性向は、2018年2月期で102.%と内部留保(今までの資産)を切り崩して支払っている状況です。
ちなみに、2017年2月期で223.2%。来期予想の2019年2月期は84.8%となっています。
気になったので2016年を調べると、389.4%でした。
一般的には20~30%とされることを考えると異常です。
株主優待は、
優待カード(オーナーズカード)として、イオングループでの買い物金額に対し保有金額に応じた返金を受けることが出来ます。返金の割合は以下のようになります。- 3% 100株
- 4% 500株
- 5% 1000株
- 7% 3000株
また、3年以上保有すると自社ギフトカードがもらえます。
- 2000円 1000株
- 4000円 2000株
- 6000円 6000株
- 10000円 5000株
投資雑誌などで、優待カードの返金割合も含めた配当利回りに焦点を当て、高配当銘柄と紹介されることの多い銘柄です。
確かに魅力的ですが本当の意味での魅力的なのかは自身でよく考えてみる必要があるようです。
イオンの売上高と利益はどうなのか?
売上高はゆるやかな右肩上がりとみられます。
ただし前半でお伝えしたように事業ごとの収益率には注意が必要ですね。
営業利益は、大きなバラツキがみられますが、2015年以降は上昇を続けています。
利益の上昇というよりも改善の結果が反映されている数字と言えるでしょう。
イオンの株価を利益率と流動比率から分析する
前期(2018/2)のROEは2.1%、ROAは2.3%と低いです。
今期予想(2019/3)は、ROEが3.0%、ROAが2.5%と上昇が予想されていますが、私が求める8%からすると低い水準です。
流動比率は1.00倍で短期的な資金の余裕は少なくみえますが、小売業の業種を考えると問題はないでしょう。
自己資本比率は11.9%で推移的にも完全に右肩下がりです。倒産の危険がないと言われるのが40%以上ですから低いですね。
営業キャッシュフローと有利子負債の割合は7.81倍です。5倍以下を一般的な基準とされることからキャッシュフローも良いとは言えません。
まとめ
非常に大きな企業であり、株主優待カードの還元率から『お得な優待銘柄』と紹介される企業ですが、実体は厳しいと判断しました。
たしかに事業別においてもすべての利益において『イオングループ中期経営計画』初年度の計画は達成してきていることから問題はないのでしょうが、株価を作り上げているのは、目先のメリットに注目している投資家の期待の割合が高すぎると感じます。
発言力の強い人の意見を参考にするのもいいですが、企業の強みと弱みの改善の見通しを自分なりにでもいいので予想したうえで投資銘柄の選択は行いたいものだと感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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